新年あけましておめでとうございます。本づくりを通じて、私たち働く社員の心と生活が豊かになるように、私たちのお客様や関係する方々の心と生活が潤いを持てるように、一歩一歩進んでいきましょう。
12月の大雪は大変でした。国道では大渋滞が起こり、運送会社の荷物も集荷が止まり、様々な障害が発生しました。新潟で生活をしていくには、雪を嫌がらず、雪と上手に暮らしていきたいものです。
長野県白馬村に「白馬岩岳マウンテンリゾート」というスキー場があります。ここは、冬より夏に稼ぐスキー場。冬場のスキー客だけに頼らない「オールシーズン・マウンテン・リゾート」を目指し改革に取り組み、2019年に、オフシーズンの来場者がスキーシーズンの来場者を超えました。22年のオフシーズン来場者数は約20万人を記録(16年の約8倍)しました。このスキー場は数年前まで赤字であえいでいたのですが、スキーという視点だけでなく、資源である雄大な眺めや地形を生かすことで復活。試行錯誤の末、北アルプスの眺めを堪能できる山頂の展望台や「アルプスの少女ハイジ」気分が味わえる大型ブランコなどを作り白馬岩岳の魅力をアピールすることから開始。他の人気リゾートの真似をすることなく、「ここならでは」にこだわり、多くの成功事例から学んだそうです。過去30年で3分の1まで縮小した国内スキー市場ですが、やり方次第では、「伸びしろ」はあるのですね。
12月の大雪では、「新潟は雪が降るから渋滞してもしょうがない」「荷物が遅れてもしょうがない」「雪の始末が大変だ」とついついぼやきたくなります。しかし、どうせ新潟で仕事をするのなら、「雪が降っても渋滞しない」「雪が降っても荷物は遅れない」「雪が降ると景色がきれいだ」というような資源を活かせる、活かせなくても雪に負けない生活がしたいものです。
では、新潟にはどんな魅力があるのでしょうか。日本で一番長い信濃川の河口の街であり、本州日本海側唯一の政令指定都市。新潟県は明治35年ころまで日本で一番人口が多い県でした。それだけ人の住む魅力ある県だったのです。酒蔵数日本一、美味しい日本酒が安く飲めます。日本の食料自給率はカロリーベースで39%ですが、新潟県の食料自給率はカロリーベースで106%全国5番目です。持続可能な成長には農業は大切な要素となります。
私は「毎月100キロ走る」を目標にして、休みの日は早朝ランニングをしていますが、早朝の信濃川やすらぎ堤から見る川面の景色、海岸を走りながら眺める日本海、さらに日本海に沈む夕日は最高ですよね。
冬の新潟はビッグスワンという命名がされたように、白鳥が美しい。日の出から1時間くらい次々と白鳥が飛び立っていきます。新潟県は白鳥飛来数日本一です。平成30年のデータですが新潟県22,683羽、2位の宮城県12,946羽と断トツです。その中でも新潟市は、佐潟、福島潟、阿賀野川、鳥屋野潟で14,253羽も飛来しているのです。観光も持続可能な成長には必要な要素だと思います。ぜひ早起きして見に行ってほしいです。
新潟市の古町に行くと、誰も歩いていないとよく言われます。新潟県人口の3分の2を占める新潟市でも人口減少は深刻です。大学生世代の10代後半は流入していますが、特に20代後半が大幅に流出超過で、30代以降の子育て層で取り戻せておらず、新潟市が県全体の流出の歯止めになっていないとのこと。
しかし、「新潟県には食料と、水力やバイオマスなど再生可能エネルギーという二つの魅力がある。長い目で見れば、新潟県ほど有利な所はない。多くの人口を養える底力はあるのだから、一過性の移住合戦に惑わされず『新潟県百年の計』を立てて、横綱相撲を取ってほしい」(持続可能な地域社会総合研究所所長の藤山浩氏 新潟日報デジタルプラス2022/11/19より)
正月に『日本の伸びしろ』(出口治明著 文春新書)を読みました。今の日本には「未来に期待できない」「希望が持てない」という人が少なくない。確かに現在の日本は問題だらけだ。しかし、最も深刻なのは人口減などの個々の課題ではなく、「日本は何をやってもよくならない」と考えてしまうこと。この悲観こそ日本の最大の問題点だ。日本は30年以上も問題課題をため込んできた。改善の余地が山ほどある。改善点とはすなわち「伸びしろ」。「日本の伸びしろ」は大きい。
日本も、新潟も、課題は多い。そして、印刷業界も私たちのグループも課題は多い。つまり、伸びしろは大きいのです。悲観するのではなく、プラス思考で私たちの前にある問題課題を一つひとつ解きほぐし、伸びしろを明らかにする一年にしていきましょう。今までの延長ではない、新たな視点で、私たちの心と生活を豊かにしていきましょう。
1月のテーマ
自社が存在する理由を明確にしよう!
たまに「吉野家」の牛丼を食べます。牛丼は「松屋」ではなく「すき屋」ではなく「吉野家」なのです。吉野家のこだわりが好き、という人は多くいます。同じ商品を売っていても、企業の考え方で購入するかどうかを決める人が増えてきているといわれています。本づくりを通じて、人々の心と生活を豊かにする。唱和してもらっているのはBook Entertainment Groupの使命です。問題課題は多くありますが、伸びしろを見つけて、本づくりを楽しんでいきたいと思います。