春になり、花が咲き、緑も少しずつ濃くなるよい季節ですね。いろいろな暗いニュースも多いのですが、私たちは自分の解決できる問題に取り組み解決していくことで、雪国の春を満喫していきましょう。
この通信も240号となりました。20年間続けてきたことになります。進歩したかどうかは、私が判断することではなく、周りの人々や歴史が判断することでしょう。自立し自律できる組織を目指して、皆さんの力を借りながら、「本づくりを通じて、人々の心と生活を豊かにする」というミッションを実現していきたいと思います。
さて、ちょうど先月号は20年前の苦戦を続けていた木戸製本所ODP事業部の話でした。木戸製本所の未来を創っていこうと、新事業に挑戦しましたが、社員さんから見れば、お荷物です。木戸製本所の利益をつぎ込んで運営していましたが、会社を切り離すことになりました。
2003年10月10日、株式会社ミューズ・コーポレーションは設立されました。資本金の1000万円は、私が800万円、西脇さんと木戸敦子さんが100万円ずつ出資して、スタートしました。
Musesとはギリシャ神話に出てくる芸術の女神たちのこと。MusicやMuseumの語源になっています。人は無いものに憧れますので、芸術的な雰囲気がある会社にしたい、とその名前を付けました。
create Market
Unique concept
Sensitive mind
Epoch making
customer Satisfaction
新しい市場を目指して、独創性と柔らかな感性を持ち、時代の切り口となる会社を目指すとともに、お客様とともに成長していきたい、という思いがありました。
そして、「抱きしめたい本づくり、抱きしめたい自分づくり」というコンセプトも定めました。子供のころに、本当に欲しかったもの(人形やおもちゃ、本だったかもしれません)を買ってもらったときに、抱きしめて眠ったように、私たちがお納めした本が、お客様の手元に届いたときに、抱きしめて眠りたくなる、そんな本づくりをしよう、という思いです。
思いはあるのですが、仕事も、ノウハウも、人もいない会社でした。まず、良い人材を採用したいということで、新卒企業説明会に参加し、4名の内定者を決めました。11月には、上村さんが入社、当社の制作の柱ができました。翌年の4月には、内定者4名のうち3名が入社。しかし、新入社員3名を育てる力はミューズにはなく、8月には3名全員が退社。しかし、7月には金子さん、8月には石山さんが入社しミューズの制作の基盤ができました。そして、新卒採用では2005年に古川さんが、2006年に菅さんが入社し、体制が整っていったのです。
「Create Market新しい市場を目指して」が、ミューズの経営方針の一丁目一番地でした。営業するのではなく、ミューズのファンづくりをしていくというマーケティング志向の会社づくりを目指していました。自費出版の中でも、俳句短歌川柳という文芸の短詩系という分野をターゲットに、人々が街の中心の市場(マーケット)に集まるような、広場を創っていきたいと考えました。いろいろなマーケティングセミナーに参加し、隔月の「喜怒哀楽」という詠み人応援マガジンを2002年4月に創刊。それから18年、2020年12月の113号まで、休むことなく紙での情報発信を続けてきました。第1号はA4サイズ白黒4ページを細長い透明封筒に入れて、送付しました。そして、そのDMを句会などのイベントに出向いて手配りをしていました。多い時は5000通も郵送していたと思います。東京渋谷のNHKホールで1月に俳句と短歌の大会が二日連続で開催されるのですが、トランクにDMを詰めて、代々木公園の入り口のNHKホールの前で陣取り、寒空の下、家族3人で喜怒哀楽書房の案内を配ったことも、懐かしい思い出です。
そんな苦労もあって、会社設立から3年目には、ミューズは黒字に転換します。そのまま成長したかったのですが、その後も一進一退を繰り返しています。ひとえに、社長である私の責任ですが「本づくりを通じて、社員さんの心と生活を豊かにする」ためには、1億円の売り上げを達成したいですよね。知恵を絞り、熱意を持って、チャレンジしていきます。
ミューズが少し安定してきたころ、木戸製本所は苦境に立たされます。それは、お客様である印刷会社様が、製本設備を整え、社内で製本を始めることがブームになったのです。6月号に続く。
5月のテーマ
変化に敏感になろう!
気づく力は大切ですね。良い点に気が付く、美しいことに気づく、汚れていることに気が付く、異常に気が付く、少しの変化に気が付くことで、人間関係や仕事もうまくいくかもしれません。
13の德目5月号の7ページにハーバードビジネスレビューの調査結果が出ていました。一日の計画を立てる人、一日の振り返りをする人、は幸福感と生産性が高く、疲労感が低いそうです。毎日の日報でも計画や振り返りはしていると思いますが、13の德目も上手に活用していただき、一週間、一か月の計画や振り返りもできるといいと思います。そして、自分の変化にも敏感になれるといいと思います。