新年度が始まって3か月目を迎えました。
先月の社長通信では、「まず動いてみる。そこから次が見えてくる」という話をしました。
今月は少し視点を広げて、「本づくりの未来」について考えてみたいと思います。
最近、私たちの仕事にとても関係のあるニュースを目にしました。
TechSuite株式会社が「AI書籍出版代行」という新しいサービスを始めたという記事です。
企業が持っている専門知識や経営者の想いを、AIを活用して一冊の本にするサービスです。
その流れは下のチャートのように、企画からAIによる執筆、編集・デザイン、電子出版、そして紙の本の印刷・製本までを一つにつないでいます。
私が特に興味を持ったのは、本を「出版すること」だけを目的にしていないことです。
完成した本を展示会やセミナーで配布する。
商談の前後にお客様に渡す。
採用面談の前に会社の考え方を知ってもらう。
経営者のビジョンを伝える。
つまり、書籍を営業・採用・ブランディングに活用し、新しい人との出会いをつくろうとしています。
「本をつくる」から、「本を使って価値をつくる」へ。
これは、私たちにとっても非常に興味深い考え方です。
そしてもう一つ、本の未来を感じる出来事が新潟でありました。
9月27日、朱鷺メッセで「ガタケット185」が開催されました。
ガタケットは、1983年に新潟で第1回が開催されて以来、40年以上続いている同人誌展示即売会です。
「新潟コミックマーケット」を略して「ガタケット」と名付けられ、現在では日本海側最大のオールジャンル同人誌展示即売会として知られています。
今回で実に185回目。会場には、自分で描き、考え、編集した作品を本にして、直接読み手に届ける人たちが集まります。
「紙離れ」「本離れ」という言葉をよく耳にします。
しかし、本当に若い人たちは本から離れているのでしょうか。
ガタケットを見ると、少し違うように思います。
好きなことを表現したい。
自分の作品を形にしたい。
そして、それを誰かに届けたい。
若い人たちも、本づくりを楽しんでいるのです。
一方ではAIによって、これまで本を書くことが難しかった人にも本づくりの可能性が広がっています。
もう一方では、若い人たちが自分の「好き」を、自分たちの手で紙の本にしています。
一見まったく違う二つの出来事ですが、共通しているものがあります。それは、「自分の想いや伝えたいことを形にして、誰かに届けたい」という気持ちです。
私は、そこにこれからの本づくりの可能性があると思います。
BEグループには、ミューズの編集・出版、木戸製本所の印刷・製本、GiHのシステム開発があります。
それぞれの力を組み合わせれば、AIを活用した新しい本づくりも、若いクリエイターの本づくりを応援することも、一冊から必要な数だけ本をつくることもできます。
私たちが中期経営計画で掲げた「本づくりのプラットフォーム」にも、こうしたところにヒントがあるのかもしれません。
先月は「まず動いてみよう」と書きました。
今月は、その先です。
まず動く。続ける。振り返る。そして改善する。
最初から正解を求めるのではなく、やってみて、お客様の声を聞き、もっと良くしていく。
その積み重ねから、新しい仕事が育っていくのだと思います。
AIが本をつくる時代になっても、人には「伝えたい」という想いがあります。
だからこそ、私たちはこれからも考え続けたい。
「本とは何か」
「本づくりとは何か」
「私たちだからできる本づくりとは何か」
本づくりの未来は、おもしろい。
そして私たち自身が、誰よりも本づくりを楽しめる会社でありたいと思います。
10月のテーマ
目的意識を持って仕事をしよう!
同じ仕事をしていても、「何のためにやっているのか」を考えることで、仕事の見え方は変わってきます。
今月紹介した「AI書籍出版代行」も、本をつくること自体が目的ではなく、その本を営業や採用、ブランディングに生かし、新しい出会いにつなげようとしています。
私たちの仕事も同じです。
印刷する、製本する、編集する、システムをつくる。
それだけが目的ではありません。
その先にいるお客様が何を実現したいのか、誰に何を届けたいのかを考えることが大切です。
「この仕事は何のためにするのだろう」「この仕事で誰に喜んでもらえるだろう」。
そんな問いを持ちながら、日々の仕事に取り組んでいきましょう。