印刷製本の未来

大相撲9月場所は大関貴景勝が先輩大関のメンツを守り、平幕の熱海富士を優勝決定戦で破り優勝した。

そして、3大関、3関脇の6人全員勝ち越し、熱海富士、豪ノ山など若手の台頭、朝乃山の大関復帰は叶うのか、など、大相撲も面白い。

そして、ラグビーワールドカップは、10月8日20時から、前回に続くベスト8に向けてのアルゼンチン戦。ガンバレ日本!

さて、10月になり、今年も残り3か月となった。
印刷系の出版社から、新年号の原稿を頼まれた。
「印刷製本の未来」というテーマで書いてほしいという。
少し考えてみた。


木戸製本所はどう変わった?
まず、当社は製本会社として、10年前と何が変わったのか、工場の中を歩いてみた。新しく増えた設備は
 1.デジタル印刷機
 2. PP貼り機
 3.小ロットのアルバム製本設備
 4.自動梱包機
 5.社内の生産性がわかるシステム
 6.東京の入船製本工房 PUR製本機が2台に
 7.オンラインで受注できる仕組み

減った設備は
 1.中綴じが3ラインから2ラインに
 2. 2トントラックが2台から1台に
 3.工場の移転により2か所だった工場が1か所に

そして、社内にシステム開発の会社「GiH」がスタートしたことも変わったことだ。
未来に向けて、もがいているという状況だ。

大量の情報伝達手段が印刷物からスマホに変わっていく時代の変化に伴って、当社の生産体制は大量生産から少量多品種の仕事に、少しシフトしてきている。
マス・カスタマイゼーション(生産や販売のボリュームを活かしつつ=大量生産=、個々の顧客のニーズに合わせた製品・サービスを販売すること=カスタム化=)という方向に向かっているとも言える。


木戸製本所はどう変わるのか?
工場の中を歩いてみて、さらに10年後も残っている印刷物は何かを考えてみた。
1.カレンダーは紙で残りそう。書き込んで情報の共有ができる
2.保育園アルバムは紙で残るのでは。動画と違って短時間でも長時間でも見ることができる
3.自費出版 少部数の上製本のニーズは今後もあるし、全国にある
4.中綴じ、無線綴じといった量を作る仕事は減少していく のではないか


お客様である印刷業はどう変わるのか?
紙文化の代表的な書籍と新聞の発行部数は図の通り。
紙の出版物(書籍・雑誌)の推定販売金額は5482億円(同8.0%減)で、2期連続の減少傾向となり、電子出版市場は、電子コミックが2271億円(同8.3%増)となる。
新聞は一般紙の総発行部数が3000万部を大きく割り込み、2800万部台まで落ち込み、この5年間で失われた部数は1000万部。
平均すると、毎年200万部ずつ減っている計算だ。
もし今後もこのペースが続けば、15年後に紙の新聞は日本から消えてしまう勢いだ。


情報伝達手段としての紙の役割は終わることで、印刷会社が印刷のみで経営していくことは難しいのではないか。
「印刷をする会社」から「印刷もする会社」へ変わっていくと思われる。
「より柔軟で迅速な対応」「顧客との個別の信頼関係」「地域社会との強い結びつき」「低コスト」「特定の印刷技術や市場に特化した専門知識を持つ」などの中小印刷業の強みがある。
社会の成長分野である、「こども市場」「医療健康」「インバウンド」「文化芸術」「スポーツ」などという市場で強みを生かして成長していってほしいと願っている。

ミューズは「顧客との個別の信頼関係」×「文化芸術」という組み合わせで、印刷製本もする出版社という新しいスタイルだ。
GiHは印刷業の弱い部分である受注のDXの仕組みを作っていきたい。
そして、私たち木戸製本所も成長していく印刷会社の「本づくりを楽しむ」お手伝いをしていきたいと考えている。

10月のテーマ
結果がでるまでやり抜こう!

お客様との約束である結果を作るのはチームとして取り組めば、助け合いながらなんとか達成できます。
難しいのは、自分との約束をやり抜くことです。
できない理由や、やらない言い訳はどんどん生まれてきます。
やり遂げたときのイメージをしっかり持って、結果が出るまでやり抜きたいものです。

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